救急指定病院/基幹型臨床研修病院/DPC対象病院

医療法人社団高邦会 高木病院

脳神経内科

2025年度

  • ― GSS(ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病)の「眼の変化」を解明 ―
    高木病院脳神経内科の藤岡伸助部長が、2025年11月27〜28日に長崎大学で開催された Asian Pacific Prion Symposium 2025 にて、Best Poster Award(最優秀ポスター賞)を受賞いたしました。
    今回の研究は、遺伝性プリオン病であるゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病(Gerstmann–Sträussler–Scheinker:GSS) において、網膜神経線維層の菲薄化、若年発症白内障、ある時期から始まる進行性近視、といった眼科的な異常 を世界で初めて明らかにしたものです。これらの変化は、目立つ神経症状の影に隠れて見逃されやすい点であり、「GSS では眼にも変化が起きる」ことを示した重要な発見として高く評価されました。
    本研究は、順天堂大学大学院医学研究科 坪井義夫特任教授、村上華林堂病院眼科 髙良太医師、福岡山王病院アイセンター ファン・ジェーン副部長、同内尾英一センター長との共同研究による成果です。
    今回の受賞は、患者様のより良い未来につながる研究への大きな一歩です。高木病院では、地域の医療機関と連携しながら、難病に対する診断・治療・研究の充実を今後も図ってまいります。
     

    藤岡部長からのメッセージ
    「GSSは、九州地方、特に福岡県や佐賀県にルーツを持つ家系に比較的多いことが知られています。プリオン病と眼科的変化の関係を解明するには、さらに多くの症例の積み重ねが欠かせません。今後は、近隣の医療機関と協力しながら多施設共同研究を進め、GSSに特徴的な眼の変化をより詳しく明らかにすることで、早期診断につながる新たな指標の確立を目指します」

    アジア太平洋プリオンシンポジウム(APPS)2025大会長 佐藤克也教授(長崎大学)と藤岡伸助医師(左)