救急指定病院/基幹型臨床研修病院/DPC対象病院

医療法人社団高邦会 高木病院

当院のがん診療

当院のがん診療

高木病院がんセンターでは地域のがん診療の拠点として、最新の医療設備と経験豊かな医師、充実したチーム医療体制を整え、がんの早期発見・治療に高い実績を残しています。
がんと診断された患者様には、外科、内科、放射線科などがチームを組み、外科手術、放射線治療、化学療法を柱に、患者様のQOL(生活の質)を大切にした、お一人おひとりに最適な治療を行います。また、通院しながら治療ができる環境整備や、入院中の患者様やご家族の心のサポートにも取り組んでいます。
さらに、最先端の医療を地域の皆様に提供するために、2024年9月には手術支援ロボット「ダビンチXi」も導入し、結腸がん、前立腺がん、腎がんの治療に対応しています。

手術支援ロボット「ダビンチXi」を導入しました

手術支援ロボット「ダビンチXi」はからだに小さな穴を数カ所あけることで手術ができる、最新鋭の内視鏡手術支援ロボットです。
ロボット機能により従来は不可能であった角度からの視野確保や手術器具の操作ができますので、患者様の負担を最小限に抑えることができます。また、手術中の出血量が少なくなるとともに、体の機能温存の向上が期待できます。
当院では、結腸がん、前立腺がん、腎がんに対するダビンチによる手術を行っています(保険適用)。ご希望の方はお気軽にご相談ください。
  • 手術支援ロボット「ダビンチXi」
  • 前立腺がんロボット支援下腹腔鏡下前立腺全摘除術

がんセンター

地域のがん医療の中核を担います

がん診療は日進月歩で進化し、がん患者様の生命予後は飛躍的に改善しています。高木病院がんセンターは筑後地区のがん医療の中核施設として最新のがん診療をめざし、荒金尚子センター長を中心に、内科、外科、放射線科、緩和ケアなど、医師、看護師、薬剤師や放射線技師などメディカルスタッフが一体となり、個々の患者様に最適な集学的治療を提供しています。
併せて「がんゲノム相談外来」「腫瘍外来」にも取り組み、〝地域のがん診療の拠点〟として最新のがん診療を推進しています。

放射線治療センター

切らずに治し、痛みを和らげます

放射線治療は手術療法や化学療法と並んで、がんの大切な治療法の一つです。メスを使わないので傷跡が残りませんし、高齢者では負担になるような麻酔をかける必要もありません。また、放射線は体にあたっても熱くも痛くもありません。身体に優しく、臓器の機能温存に優れていることから、注目を集めている治療法です。
当センターでは、強度変調放射線治療(IMRT)と定位放射線治療(SRT)の2つの高度放射線治療を行っています。いずれも綿密な準備と計画を行い、検証まで確認してから病巣に正確に照射することで、確かな効果と正常組織への影響の低減が期待できます。
また、骨やリンパ節など遠隔転移で痛みや腫れを生じている時、腫瘍から出血している時などには症状緩和として治療適応があります。なお治療回数は全身状態に応じて決めます。

化学療法センター

通院しながら治療できる環境を整備しています

化学療法とは、抗がん薬や分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などの薬剤を投与し、がんを治したり、がんの進行を抑えたり、症状をやわらげたりする治療法です。
当センターでは外科専門医や放射線治療専門医とも連携し、患者様の病状に合わせて、手術や放射線治療と組み合わせて治療を行うことも可能です。以前は入院での治療が主流でしたが、治療の副作用を軽減する薬剤の導入によって、外来での治療ができるようになりました。「化学療法説明外来」も行っています。

PET-CTセンター

がんの早期発見・転移の広範囲探索が可能です

PET-CT検査とは、PET装置とCT装置が一体化したPET-CT装置を使用してがんを検査する方法です。
がんの可能性が疑われながらも他の検査で病巣が発見できない原発不明がんの診断や、病期(進行度)診断、転移、再発を調べるのに特に有効な検査とされています。放射性薬剤(放射性フッ素を付加したブドウ糖)を投与して体内の細胞の活動状況を画像化することで、病気の有無・位置・転移場所・大きさなどを、1回の全身の検査で見つけることができ、速やかな治療方針の決定にも威力を発揮します。PET検査とCT検査の画像を重ね合わせることで、高い精度で診断することができます。
肺がんのPETーCT画像
PET-CT検査は検査の目的によって保険適用となる場合とならない場合があります。保険適用の検査をご希望の場合は主治医にご相談ください。PET-CTドック検診をご希望の場合は当院予防医学センターへご連絡ください。
高木病院
予防医学センター
(直通)TEL:0944-87-9490
(9:00~17:00 ※日・祝日除く)

病理部

迅速ながん診断・治療をサポート

病理部では、患者様の体より採取された病変の組織や細胞を調べる病理組織診断、細胞診断などにより迅速かつ正確な病理診断をしています。術中迅速診断は、術前に診断がつかなかった場合に良性悪性どちらであるか、腫瘍の切除範囲は十分であるか、がんの転移はあるか、など手術方針に関わる情報を手術中に直接執刀医に伝えるため大変重要な検査です。
がん治療法の一つである薬物療法において、近年ではがんゲノム医療が普及し始めています。そのために病理組織検体の取り扱いおよび病理診断がさらに重要になっています。
  • 大腸がん
  • 肺がん

患者様のサポート

がんゲノム相談外来(完全予約制)

2019年より保険診療としてがんゲノム検査ができるようになりました。がんゲノム検査とは、がん組織に発生した遺伝子変異を検査し、その変異に応じた薬剤を選択する検査です。ご興味のある方は主治医の先生とご相談の上、受診をご検討ください。がんゲノム検査について詳細にご説明し、検査をご希望の際には円滑な検査への手続きを行います。

外来実施日/木曜日 9:00~12:00(完全予約制)

腫瘍外来(完全予約制)

がんにはいろいろな種類があります。胃がん、大腸がんなど原発(大元のがん)が明らかな場合は該当する診療科の受診が容易ですが、時に、どこから発生したかわからない〝がん〟もあります。何科へ受診したらよいかわからない場合、当外来への受診をご検討ください。

外来実施日/月・火曜日 9:00~9:30(完全予約制)

セカンドオピニオン外来(完全予約制)

がんに対するセカンドオピニオン外来を行っています。がんの診療では、患者様やご家族が納得して治療を受けることが大切です。セカンドオピニオンは患者様の疑問・不安・悩みに応えて、患者様自身が病気や治療への理解を深め、より納得して治療を受けるための仕組みの一つです。ご希望の方はまずは、ご相談ください。セカンドオピニオンは自由診療となり全額自己負担となります。

妊孕性温存

当院は、若年世代のがん患者様の治療後の人生を見据えたサポートとして、妊孕(にんよう)性温存療法ができる、日本産科婦人科学会の認定施設です。妊孕性温存療法は生殖機能への影響が強いがん治療前に妊娠するために必要な能力(妊孕性)を温存するための治療で、男性では精子凍結、女性では受精卵(胚)、未受精卵子、卵巣組織の凍結・温存を行っています。認定施設の中でも卵巣組織の凍結まで行える施設は九州に3施設しかなく、当院生殖医療センターでは福岡県内で唯一卵巣組織の凍結・温存を実施しています(2024.10月現在)。がんと診断された方で妊孕性に関するご相談をご希望の方は当院生殖医療センターをご予約ください。

化学療法説明外来

新たに治療が始まる患者様の不安を和らげるため「化学療法説明外来」を行っています。医師、薬剤師、看護師、臨床心理士、栄養士、事務の専門スタッフが治療について分かりやすく説明し、患者様の疑問に答える形で支援を行っています。

ストーマ外来(完全予約制)

ストーマとは、手術によっておなかに新しく作られた便や尿の排泄の出口のことです。「ストーマ外来」では、医師および皮膚・排泄ケア認定看護師が中心となり対応しています。装着方法や皮膚トラブル、日常生活でお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。

ペインクリニック外来(完全予約制)

緩和ケアチームと協力しながら、がんの痛みを抱える患者様に対する神経ブロック治療を行います。薬や注射では痛みが十分に取れない場合や、副作用のために薬の使用が困難な場合に有効な治療法です。

緩和ケアチーム

がん診療に携わる医師を中心に、緩和ケア認定看護師、薬剤師、リハビリテーションスタッフ、栄養士、医療ソーシャルワーカー、臨床心理士が緩和ケアチームを組んで、毎週回診を行っています。入院中の患者様はもとより、そのご家族の心のケアも含めたサポートを、チームが一丸となって実践しています。

  • 患者様が少しでも快適に過ごせるよう多職種でサポートしています

がんリハビリテーション

当院には、広々としたスペースで設備の整ったリハビリテーション室を2カ所に設置し、専門のスタッフが、がんに対するリハビリテーションを行っています。
がんのリハビリテーションは、がんの進行や治療の過程で生じた、身の回りの動作や生活の質などの障害に対して、スムーズに在宅に移行できるような支援を行っています。
ご希望の方は主治医にご相談ください。

対応するがん診療

当院では各科でそれぞれの専門の医師ががんに対する診療や治療を行っています。

診療科 対象とするがん
がんセンター 肺がん、縦隔腫瘍、胸腺腫瘍、原発不明がん
消化器内科 食道がん、胃がん、大腸がん、膵がん、胆管がん、胆嚢がん
肝臓内科 肝細胞がん
外科 食道がん、胃がん、大腸がん(結腸がん、直腸がん)、肝がん、胆のうがん、胆管がん、膵がん、肛門がん
消化管間質腫瘍
大腸肛門センター 肛門がん、痔ろうがん、直腸がん
呼吸器内科 肺がん、気管がん、縦隔腫瘍、悪性胸膜中皮腫
呼吸器外科 肺がん、転移性肺がん、胸膜悪性中皮腫、縦隔悪性腫瘍、胸壁悪性腫瘍
血液内科 造血器腫瘍(慢性髄性白血病、慢性リンパ性白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫)
泌尿器科 副腎がん、腎細胞がん、腎盂尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、尿道がん、陰茎がん、精巣腫瘍、後腹膜腫瘍
女性医療センター 子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん、ほか
耳鼻咽喉科 口腔・咽頭・喉頭のがん(早期)、甲状腺がん、耳下腺がん、顎下腺がん、頸部リンパ節の悪性リンパ腫瘍(生検)
歯科口腔外科 口腔がん(舌、歯肉、頬粘膜、口腔底、口蓋、口唇)
放射線治療センター 全ての悪性腫瘍 ※保険適用についてはお尋ねください

がん診療実績

※全国がん登録報告(高木病院提出分)より